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葛根湯でインフルエンザの高熱対策⁉

解熱効果と葛根湯

漢方薬というと慢性疾患に使われるイメージが強いようですが、実際、漢方薬は感染症が得意です。3世紀始めに中国の張仲景によって書かれたとされる「傷寒論」は、急性熱性病の治療と処方がまとめられた古書です。この中の1つの処方が、私たちが風邪をひいたときによく服用する「葛根湯」です。葛根湯はかぜ薬として有名ですが、近年、インフルエンザに対する免疫の働きの様子が動物実験で解明されていて大変興味深いので、その内容を簡単にご紹介します。

生体にインフルエンザウイルスが侵入してくると、免疫細胞から警戒物質が産生されます。この警戒物質はウイルスに対する生体防御機能を高めるようにはたらきます。この生体防御機能とは、病原体を早い段階で排除する仕組みで、排除する病原体の種類は問わず、どんなウイルスや細菌でも排除します。

警戒物質と共に産生されるのが、炎症の火種となる様々な物質です。この火種の中の1つにインターロイキン1αがあります。感染した当初は、これらの火種はウイルスが侵入した部位のみで産生されます。そして、その後は全身で産生されるようになるために、火種の産生が過剰になり、炎症が起きて発熱へとつながります。

葛根湯の動物実験では、マウスの気道でインフルエンザウイルスを感染させます。葛根湯を投与されたマウスでは、警戒物質の産生が促進されて生体防御機能が高まりました。また、ウイルス感染は気道のみに限定され全身には広がりませんでした。一方、炎症の火種であるインターロイキン1αも感染部位のみで産生されて、全身での過剰産生は回避されました。つまり、葛根湯の投与でインフルエンザ感染が軽症に抑えられ、また、発熱も高熱になる段階にまで至らずに、一過性に微熱が出る程度で治まり解熱するということでした。

参考:白木公康:インフルエンザ治療のための漢方薬の作用機序 葛根湯の作用機序 医学のあゆみ 202:414~422、2002、白木公康:漢方薬を利用した抗ウイルス薬開発の展望 ファルマシアVol.49 No.11p1101~1105 2013

葛根湯は、体力中程度以上の方の風邪のひきはじめに用いられます。風邪のひきはじめとは、つまり、ウイルス量が少ない段階のことです。早い段階でウイルスが撃退できれば、症状は出ないか、出ても軽症ですみます。

「葛根湯はとにかく早い段階で飲む」ことが大切です。また、周りの人が風邪をひきはじめたら、予防で飲むこともできます。私のお勧めは「葛根湯をいつもポケットやお財布に入れておくこと」です。うなじが凝る、寒気がする、だるい、手足が冷える、頭痛、熱っぽいなどのいつもと違う症状があれば、すぐに飲みます。

ちなみに、私はすぐに溶ける葛根湯をお勧めします。急場の時には水なしで飲めるので便利です。

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