耳のケアには良い血流が大切です!
老化が進んで聴力が落ちてくると、高い音から聞こえづらくなってくるそうです。なぜ、高い音からのなのでしょう?
耳は音を脳に伝えます。耳の中には蝸牛と呼ばれる、かたつむりの形をした器官があります。蝸牛は受け取った音を信号に変換しています。この蝸牛には小さな毛が、蝸牛の入り口付近から奥の方まで生えています。難聴の進行と共に毛は抜けるのですが、抜け始めは振動が伝わる入り口、つまり、蝸牛の入り口付近からです。入り口付近に生えている毛は、高い音を伝えています。
耳が悪くなると、コミュニケーションが取りづらくなります。でも、それだけではありません。コミュニケーションによる刺激が少なくなるために、脳の活動が低下し、認知症の原因にもなりやすくなります。最近、ランセットという権威ある医学雑誌にこのことを裏付ける論文が発表されました。認知症の最大の要因が聴力の衰えだというのです。そして、聴力は脳の広い範囲に影響を与えるため、ひとたび問題が出ると「脳が萎縮」しやすくなるのだそうです。
では、蝸牛の毛をどうやったら抜けなくすることができるのでしょう?その答えは「良い血流」です。良い血流を維持することで、蝸牛の毛が生えている細胞に栄養や酸素が送られるので、毛が抜けにくくなります。
また、ヘッドフォンで音楽を聴くときには「60の法則」に気をつけましょう。60の法則とは、“ヘッドホンを使うのは60分まで”、“音量は60%にする”という法則です。
耳は大切な器官です。耳の蝸牛にある小さな毛は抜け落ちてしまえば、二度と生えることはありません。よい血流を維持しましょう。
(薬剤師)