響声破笛丸 ササクールA
風邪をひいたり、カラオケなどで声を出しすぎたりして、声がかすれた経験はありませんか?声はのどの奥にある「声門」で作られます。門のように左右両側に声帯があるため「声門」といわれています。呼吸をするときに声門が開き、声を出すときや食べ物を飲み込むときに閉じられます。声がでる仕組みは、ひだ状になっている声帯が振動することで声になります。
声を出しすぎて声帯を酷使する方や体質的に声帯が弱い方では、声帯に炎症が起こりやすくなり、声がかすれやすくなります。
一方、病気などでも声がれは起こります。声帯にポリープや腫瘍ができている場合です。また、“胸部大動脈りゅう”という病気は発症前に症状がでにくいのですが、一部の人で声がれという症状が現れるようです。
声がれは老化でも起こりやすくなります。老化で声門がやせ衰えると声門に隙間ができてしまい声がかすれます。
声がれが長く続くときや、ご高齢者の方で声がれが進んでむせるようになっり声がでにくくなったりしたら、一度受診されることをお勧めします。
普段から声がれでお悩みの方に朗報です。
漢方薬の処方で「響声破笛丸(きょうせいはてきがん)」という声がれを治すお薬があります。漢方の復権にご尽力された大塚敬節先生という著名な漢方医がご自分の体験を次のように記されていますのでご紹介します。
私は少年の頃から咽喉が弱く、そのため随分悩まされた。少しごみを吸うと、のどが痛くなって声がかれる。それを無視してのどを使っていると、血がでるようになる。
ある医者は回帰神経の麻痺があるだろうから、一生なおることはあるまいと云った。またある医者は、声帯が片方短いので、一生なおるまいといった。医学生になってから、のどはますますわるくなった。夜間外出して、人混みなどを歩いて帰ると翌朝は声が出なかった。耳鼻科の教授の治療を受けたが少しもよくならなかった。
ある大学に漢方医学の講座ができて、二時間位たてつづけにしゃべらなければならないことがあった。そんな時は、途中で声がでなくなった。
終戦後、勿誤薬室方函(ふつごやくしつほうかん)をよんでいて、響声破笛丸を発見し、これを作ってのんだところ、これこそ「その効、神の如し」で、驚かされた。この丸薬(がんやく:練り合わせて小さくまるめた薬のこと)をかみ砕きながらのむと、のどを越すや否や、のどがさっぱりして声が楽に出る。こんなに効く薬が漢方にあることを永い間知らないのは、うかつ千万なことであった。
かぜをひいてのどの具合がわるい時でも、おしゃべりをしてのどをいためた時でも、私はいつもこれをかみくだきながらのむ。(以下略)