漢方薬で予防する風邪やインフルエンザ
冬は低温で乾燥した季節なのでウイルスが増殖しやすくなります。風邪やインフルエンザの9割はウイルスといわれています。抗生物質はウイルスには効きませんので、抗ウイルス薬のタミフルやイナビルなどが使われています。
集団生活を余儀なくされる現代社会では、学校や会社、公共の場や通勤通学の電車やバスの中で常に感染のリスクにさらされることになります。マスクやうがい、手洗いが予防手段として浸透しているのも頷けます。ここでは漢方薬を使う予防をご紹介します。
漢方薬の風邪薬として有名な葛根湯は『熱が出そうだな、でも、まだ汗は出ていないな』という風邪のひき始めに飲めば、体温を上げて、1回の服用で風邪ウイルスを撃退することもできる優れた処方です。(インフルエンザもウイルスの一種ですので、この風邪のひき始めであれば撃退できます)
しかし、問題はこの風邪のひき始めに気づくことが案外むずかしいというところにあります。鼻水、咳などがでれば容易に風邪と気づくことができます。この時点では少し遅いのです。最良のタイミングは、寒くてゾクゾクする、頭が重い、体のフシブシが痛い、肩やうなじが凝る、手足が冷えるといったいつもとは違う感じです。体に意識が向いていれば、少しの異常にも気づくことができますが、夜遅くまで働いたり勉強したりして忙しい毎日を過ごしていると気づく余裕もないものです。
そこでお勧めなのが周りの人が風邪をひきはじめたとき、自分に風邪の症状が出ていなくとも、早目に葛根湯を飲んでおくのです。これは、受験生や仕事が忙しくて休めない方に特にお勧めです。
葛根湯はバックやカバンなどに入れて常に携帯し、いつでも飲めるようにしておきましょう。